白くて鈴のようなかわいらしい花が咲くスズラン(鈴蘭)。花の形が鈴に似て、葉の形が蘭に似ているところからスズラン（鈴蘭）と名付けられました。清潔感のある良い香りがするので、スズランの香りの香水や芳香剤もたびたび見かけます。今回はスズランの花言葉について解説していきましょう。
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スズランとは？
スズランの開花時期は4〜6月。春を感じさせる花です。日本だけでなく海外でも広く愛されています。「幸せを運んでくる花」といわれ、結婚式で花嫁のブーケにも良く使われています。日本に自生している品種もありますが、ブーケなどに使用されるのは日本の品種よりも花が大きくて立派に見えるヨーロッパ原産のドイツスズランです。
注意点は根の部分に毒があること。毒性は花を生けている水にも溶け出てしまうので、スズランに触れた際は念のために必ず手を洗いましょう。また、ペットやお子様が近くに寄らないように注意してくださいね。
スズランがフランスで愛される理由
スズランは、ヨーロッパでは5月の花と言われるほどポピュラーですが、中でもフランスとは縁が深い花です。かつて、フランスのルイ・シャルル9世に「幸福を呼ぶ花」としてスズランが献上されました。このスズランが気に入ったルイ・シャルル9世は、宮廷にいる婦人たちに定期的にスズランを贈るようになったと言われています。
このエピソードがきっかけで、フランスの5月1日の祭日「メーデー」には、大切な人や愛する人にスズランを贈る習慣ができました。また、花嫁にスズランを贈る習慣もフランスから生まれたそうです。人の幸せを思って花を贈るなんて素敵な行動ですね。
スズランの別名「君影草」
広く愛されているスズランには、海外や日本で別名がつけられています。ヨーロッパでは「聖母の涙」、日本では「君影草（きみかげそう）」や「谷間の姫百合（たにまのひめゆり）」と呼ばれることがあります。「君影草」というタイトルの有名な演歌もありますね。
このような別名がつけられた理由は、スズランの花が葉の影に隠れながらひっそりと咲く姿が、男性の後ろに佇む奥ゆかしい女性をイメージさせるからだそうです。スズランの花が少し垂れている様子から、女性がこうべを垂れてじっと男性を待っている姿をイメージさせるとも言われます。スズランは女性的な印象が強い花ですね。
スズランの開花時期・花言葉
開花時期 4月〜6月ごろ
スズランの花言葉
・幸せが再び訪れる
・純粋
・癒やし
・謙遜した美しさ
スズランの花言葉についての解説・説明
幸せが再び訪れる
先ほど説明した、ルイ・シャルル9世のエピソードから来ている花言葉です。スズランを大切な人に贈ることによって、「あなたにまた幸せが訪れますように」と祈る暖かな気持ちを表現することができます。幸せ＝スズランというイメージが定着していますね。
純粋
「純粋」の花言葉は、スズランがヨーロッパで「聖母の涙」と呼ばれていることにも関係します。この別名が生まれたのは、イエス・キリストがゴルゴダの丘で処刑されたとき、聖母マリアが流した涙がスズランの花になった、という伝説が理由です。
聖母マリアは清らかでけがれのない存在なので「純粋」という花言葉が生まれたそうです。
癒やし
「癒やし」の花言葉の由来は、イギリスで語り継がれている、森の守護神であるセント・レオナードの伝説から来ています。セント・レオナードが森へ武者修業をしていたときに、恐ろしい毒竜に襲われました。彼は毒竜との死闘の末に4日がかりで敵を倒しましたが、体中に毒が回ってしまい瀕死の重傷を負います。
そのときふと気づくと、セント・レオナードから流れ出る血を吸いこんだ地面から、いつのまにかスズランが咲き誇っていたのです。実は、森の精霊たちがセント・レオナードの姿に心をいため、彼の傷や心を癒やすためにスズランを生やしたのです。スズランがレオナードの傷や心を癒したというエピソードから「癒し」という花言葉が生まれました。
謙遜した美しさ
スズランの花が葉の影に隠れながらひっそりと咲いている姿から、この花言葉がつけられました。男性の後ろに静かにたたずむ女性のような謙虚さを感じせますね。人の美しさを表すのは、見た目や顔立ちだけではなく、心のあり方なのかもしれません。
スズランに似た花「スノードロップ」の花言葉が怖い
スズランによく似た花で「スノードロップ」という花があります。このスノードロップの花言葉は「あなたの死を望みます」。ちょっと怖いですね。
その由来はイギリスのある地域に古くから伝わる伝説です。イギリスのある女性が、死んでしまった恋人の体を触ったところ、その恋人の体がスノードロップ（雪の雫）のようになったというものです。
このエピソードは、恋人が雪の雫に変化したという美しい情景にも思えるのですが、「死」というイメージもついてしまい、その結果スノードロップの裏の花言葉が「あなたの死を望みます」になってしまったそうです。スズランの花言葉ではありませんが、豆知識として書いてみました。
まとめ スズランを大切な人に贈ろう
幸福を運ぶ花、スズラン。フランス人のように情熱的に愛を語るのは恥ずかしいかもしれませんが、たまには愛する恋人やパートナーにスズランを贈ってみてはいかがでしょうか。
